掲載日2016年12月08日
みなさんこんにちは!みんなの森づくりHP担当の後藤です。
こたつから出られない日が続きますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
こたつのない生活は考えられないインドア派の私ですが、外には外の良さがあり、アウトドアにはアウトドアならではの暖のとり方があります。その一つがたき火です。
電気でつくる熱もいいですが、火から伝わる温かさは格別です。
さて、今回は暖をとるためではなく、あるものをつくるために火をおこしています。
平成28年12月3日(土)に実施した、豊かで美しい森づくり事業~第2回目:炭焼き~の様子をお伝えします。
当日は早朝の冷え込みこそ厳しかったものの、澄みきった冬の青空の下、行楽日和と言える1日でした。
毎年、この時期は風邪が流行り、事前にお申込いただいた参加者のみなさん全員が当日そろうということが難しいのですが、この日は全員集合!
後から合流してくださった方も含めて、21名の参加者のみなさんにお集まりいただきました。
今回も講師として、NPO法人 碧い海の会の皆さんにご協力いただきました。
最初は昔ながらの炭焼き窯といぶし窯に火を点けにいきました。
講師の方々によって組まれた薪から窯の奥の方へと勢いよく火が伝わっていきます。
しかし、炭焼きはここからが本番!これから数日間にわたって、漢たちと炭との戦いが始まります。
カシの木を入れた2つの昔ながらの窯では、立ちのぼる煙の色や匂いに注意しながら、温度を調節すること約3日間・・・
さらに、竹を入れたいぶし窯では、じっくりと時間をかけていぶしていくことなんと約5日間!
根気、根気、根気の作業です。
ここで、講師のおじさんたちから、子どもたちに1本ずつ、いぶし竹の杖の完成品をプレゼント!
石の粉で磨けば磨くほどツヤが出てかっこいい仕上がりになります。
そして、棒を持つとテンションが上がってしまうのが少年の性。それは大人になっても変わりません。
何より、講師のおじさんたちの努力の結晶です。どうか大事にしてください。
さて、次は、自然観察に出発!
野鳥のふんや、動物が食べかけにした木の実など、里山の中には動物の痕跡がいっぱいです。
池ではヤゴを発見!トンボの幼虫ということで、知ってる人も多いと思いますが、実物は意外と見たことがないものです。(残念ながら、ヤゴの姿写真におさめることができませんでした・・・)
森の中を進んでいると、大きな影が・・・NPO法人アイラブグリーン大分の二村さんでした!
今回のイベントの様子を見に来てくださったとのことです。
心強い木のエキスパートを一行に加え、今度は竹林の中に入っていきます。
ここで二村さんから豆知識!
普通の木はのびていく点(成長点)が1つしかないのに対し、竹は成長点が節の数だけあります!
だから成長が早いんですね。
成長が早く増えすぎた竹を切り出して数を調節するのも里山保全の一環。
前回(平成28年10月1日)の竹林整備に参加してくれた子はもう竹を切りたくてウズウズしてました(笑)
楽しいプチ探検も終わり、広場に戻ったら、今度は花炭づくりと木の実工作に挑戦しました。
花炭はまつぼっくりやどんぐりをせんべいの缶に入れて火にかけて待つこと20分・・・
完成!!
他の方法と比べて、お手軽にできる炭です。
つくり方はお手軽でも、長持ちするのがこの花炭のウリ!そのままではすぐに腐ったり、ボロボロになってしまったりする木の実ですが、炭にすることで何年もその形を保つことができます。
(2年前にもらった花炭は、今でも我が家の玄関で現役バリバリです)
できた花炭を使って工作にも挑戦しました。
木の枝と花炭をボンドでくっつけて、皆さん思い思いにオリジナリティあふれる作品をつくります。
10代の若き名工はセンスあふれる作品を次々と完成させていきます。お母さん、将来が楽しみですよ。
ボンドの接着をなかなか信用できない子もいました(笑)接着部を抑えたままハイ、チーズ!
彼はその後、今話題のあるものを発見します。
ディスイズアペ~ン ディスイズアンアッポォ~ ンゥ! アッポ~ぺ~ン
誰が何と言おうと天然の「アッポ~ペン」だそうです(笑)
お腹も空いてきたところで、お昼休みです。
講師の先生方のご厚意で、焼き芋とだんご汁をいただきました。
寒い中、屋外で食べる出来たての焼き芋、だんご汁は最高でした。
腹ごしらえも終わり、再び窯の様子を見にいきます。
煙の色が透明になると、温度が安定したということらしく、一安心なのですが、まだまだ煙は白く、気が抜けません。
我こそはと温度計を片手に、温度を測ってまわる子もいました。黒板にも温度をしっかり記録!
彼なりに頑張るおじさんたちのお手伝いがしたいという気持ちからだったのでしょう。
そんな皆さんの頑張りに神様からごほうびが!
作業の合間、ふと空を見上げると、森の間から差し込む光が煙で反射して神秘的な光景(子どもたちいわく、神様のアレ)が広がっていました。(写真ではうまく伝わらないのが残念です・・・)
晴れた日に森の中で炭を焼く、このとき、この場所でしか見られない、素敵なサプライズでした。
最後は鳥の巣箱かけに挑戦!
去年取り付けた巣箱のいくつかには、ちゃんと鳥が巣をつくっていました。
今年はじめて巣箱をかける人、今年こそは鳥さんが入りますようにと願いを込めて再挑戦する人・・・
それぞれの思いを胸に、鳥が集まりそうな木に巣箱を取り付けていきます。
鳥は入るかな・・・来年をお楽しみに!
こうして、里山での楽しい1日は終わりを告げました。
第1回目の竹林整備では里山を「守る」ことに、
第2回目の炭焼きでは里山を「楽しむ」ことに重きを置きましたが、その2つはつながっています。
里山を守り、育てるために竹を切り出し、切り出した竹は私たちの生活の助けとなる炭や杖、お祭りを彩る竹灯篭にもなります。
そして、管理がいきとどいた快適な里山は私たちを温かく迎え入れてくれる憩いの場にもなってくれます。
里山を活かし、里山に活かされる、人と里山が助け合いながら共存していく関係づくりのきっかけとなってくれればこんなに嬉しいことはありません。
ご参加いただいたみなさん、講師のみなさん、大変お疲れ様でした!
よいお年を!!